こんなに進んでいた!タクシー業界のインバウンド対策

2018年11月15日中国

海外初の配車アプリや白タク、自動運転技術の進化、さらには国内需要の頭打ちなどタクシー業界にとっては挑戦となる状況についての報道をよく耳にするようになりました。しかし、タクシー業界も様々な対策を打ち出して、こうした逆風をはねのけるだけではなく、インバウンド対策によりビジネスチャンスを広げようと日々進化しています。今回は、そんなタクシー業界のインバウンド対策をご紹介します。

全国ハイヤー・タクシー連合会では、訪日外国人向けタクシーサービス向上アクションプランとして以下の4点を挙げています。

① 母国と同じタクシー・ハイヤー利用環境づくり
② 言葉の不安解消
③ 決済の不安解消
④ 関係機関・団体と連携したプロモーション活動

この記事では、これらの施策について具体的にご紹介します。

母国と同じタクシーハイヤー利用環境づくり


これは主に、① 日本系配車アプリの多言語化と、② 海外系配車アプリとの連携を指します。
2018年10月現在、これらはどれほど進められているのでしょうか。

① 日本系配車アプリの多言語化

主な配車アプリの多言語展開状況は以下のとおりです。

<英語・中国語・韓国語対応>
JAPANTAXI(旧全国タクシー)
らくらくタクシー
LINEタクシー
<英語・中国語対応>
 モタク
<英語版リリース>
スマホdeタッくん(Tokyo Taxi Association –TAKKUN)

実際の使用感はどうでしょうか。JAPANTAXIを見てみます。
言語はシステムの言語に合わせて自動的に中国語に設定されました。

ユーザー情報を登録して使用を開始すれば、すぐに使用できます。
地図上で「出発地点」と「到着地点」を選択します。
今回は「東京タワー」で乗って「スカイツリー」で降りることにします。


次に、「タクシー会社」や「決済方法」を選択します。

支払いは、Apple PayまたはJapanTaxiアプリに登録しておいたクレジットカードでのオンライン決済に加えて、現金・クレジットカード・電子マネーといった車内決済にも対応しています。

全体的にシンプルで非常に使いやすいデザインになっています。
これなら初めて日本に来る外国人旅行客も安心して利用できそうです。

② 海外系配車アプリとの連携

「母国と同じタクシー・ハイヤー利用環境づくり」における2つ目のポイントとして、海外系配車アプリとの連携が挙げられています。海外系配車アプリに関しては、迎え撃つ格好の日本のタクシー業界でしたが、既存の枠組みに取り込む形で連携を進めることで、共存共栄を図っているようです。

<uber>
言わずと知れたアメリカ初の配車サービスですが、2014年に上陸し、東京でタクシー配車サービスを開始したものの、一度は東京から撤退しました。2018年8月から、提携事業者のタクシーを配車する「uberTAXI(ウーバータクシー)」サービスが新たにスタートしました。

<カカオタクシー>
運営者であるカカオモビリティは、ジャパンタクシーと資本業務提携契約を締結しました。これにより、カカオが運営する「カカオタクシー」アプリとJapanTaxiアプリ相互でタクシー配車が可能になりました。

<DiDi>
中国配車アプリ最大手である「DiDi」ですが、2018年6月28日、ソフトバンクとの合弁でDiDiモビリティジャパンを設立したことを発表しました。計12社のタクシー事業者と提携し、提供地域となる大阪では、関西国際空港を含めた泉州エリアと大阪市域内でタクシー配車サービスを利用できるようになっています。今後は、京都、福岡、沖縄、東京、その他の主要都市で順次開始する予定です。

予想以上に様々な業務提携が進められていましたが、これら海外発配車サービスの一番の売りであるライドシェアに関しては、規制の壁により提供できない状態が続いています。海外発配車サービス事業者が、このまま業務提携という形で既存の枠組みに収まっていくのか、あるいはいずれタクシー業界と袂を分かち、日本の交通に真の意味で革命をもたらすのか、引き続き注目に値します。

言葉の不安解消

海外でのタクシー利用の一番の壁は、何と言っても「言葉の壁」ではないでしょうか。この点でもタクシー業界は様々な施策を打ち出しています。外国人対応研修や外国語対応専用乗り場の設置、多言語音声翻訳システムの導入などに加えて、2019年度末までに外国語対応ドライバーを1万人まで増強する計画でいるようです。業界からの要望として、留学生のドライバー採用やドライバーとしての業務ビザの発給、技能実習制度にタクシー業務を指定することなどを、国に働きかけていくとのことです。


さらに、東京ハイヤー・タクシー協会では、平成27年より「TSTiEドライバー」の認定制度を設け、英語による観光案内が可能なドライバーの育成を進めています。2017年3月時点で20人のTSTiE ドライバーが認定されていますが、2020年までに300人のTSTiEドライバー育成を目標としています。

<TSTiEドライバー認定の条件>

なかなかの難関です。
ロンドンのタクシー運転手は、世界一難しい試験と言われる「ナレッジ試験」を合格して、市民の尊敬を集めています。日本でも今後TSTiE認定を受けたドライバーが増えていけば、日本の顔として頼もしい存在となっていくのではないでしょうか。

決済の不安解消

キャッシュレス決済の導入も進展しています。

クレジットカード・電子マネー・交通ICカード・Alipay・Wechatpay対応決済端末の導入が進められており、2018年度までに3大都市圏(東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都、兵庫)における法人タクシーのキャッシュレス対応100%、2019年度までに地方部での対応車両の普及率倍増を進めています。

手数料の問題や、端末操作・暗証番号・サイン入力などが壁となり、なかなか進まないキャッシュレス決済ですが、タクシーなどの交通手段でこそ、そのメリットが存分に発揮されるはずです。 

関係機関団体と連携したプロモーション活動

上記の3つの施策に加えて、旅行会社・JNTOなどの諸機関との提携や観光・周遊ルートの開発により、訪日外国人のニーズに応える努力を払っているようです。

まとめ

保守的な印象が強いタクシー業界ですが、訪日外国人を意識した様々な対策が取られていました。観光旅行の交通手段の一つとして活躍の場が確実に広がっていきそうです。
モノ消費からコト消費へと移り変わるなかで、タクシー利用も日本旅行の貴重な体験として訪日外国人客の心に残っていくといいですね。 


参考資料:
訪日外国人向けタクシーサービス向上アクションプラン(全国ハイヤー・タクシー連合会)

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