ゼロから始めるインバウンド【飲食店編】

2018年10月25日

飲食店のインバウンド対策が必要なワケ

増加の一途をたどる外国人旅行客

日本政府観光局(JNTO)の報告によれば、2017年度の外国人旅行客は2,869万人で過去最多。2018年は1月から8月時点ですでに2,130万人に達したそうです。2020年には東京オリンピックが開催されますので、今後ますます外国人旅行客の増加が予想されます。

2017年の訪日外客数は前年比19.3%増の2,8691千人で、JNTOが統計を取り始めた1964年以降、最多となった。」
引用:JNTO報道発表資料 https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/pdf/180116_monthly.pdf

20188月の訪日外客数は、前年同月比 4.1%増の2578千人。20178月の2477千人を10万人以上上回り、8月として過去最高を記録した。8月までの累計は2,1309千人となり、これまでで最も速いペースで2,000万人を超えた。」
引用:JNTO報道発表資料 https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/pdf/180919_monthly.pdf

そして、外国人観光客が日本に来る目的のひとつは「日本食を食べること」。多くの外国人が和食を楽しみに訪日しています。国土交通省観光庁による「訪日外国人の消費傾向」(平成29年)によれば、外国人旅行客の95.8%が今回の日本旅行で日本食を食べ、91.2%の人が満足しているようです。来日するほとんどの外国人が和食を食べているということは、飲食店にとって大きなビジネスチャンスといえます。そして、その機会は都市部だけに限らず、全国1,718市町村の目の前に広がっていきます。

出典:観光庁による『訪日外国人の消費動向』P26
http://www.mlit.go.jp/common/001230775.pdf

訪日外国人による地方活性化

訪日旅行のスタイルは個人旅行(FIT)へと変化しつつあり、その傾向は今後も続くものと思われます。そうした個人旅行客を地方へ呼び込む流れはますます強まっていくことでしょう。観光庁による「明日の日本を支える観光ビジョン」では、観光先進国としての3つの視点のひとつに「地方創生」があげられており、2020年までの訪日外国人4000万人達成を新たな目標として掲げています。これは2015年の2倍の数に相当します。今後、相当数の旅行者が地方を訪れることが見込まれます。都市圏にはない、地方ならではの素晴らしい魅力をアピールし、多くの外国人旅行客を集客するビジネスチャンス到来といえるでしょう。また、口コミサイトやSNSの普及により、地方の隠れた名店を目指す旅行者が今後増えることが大いに予想されます。今後は、大都市圏にある大手飲食店のみならず、個人経営の中小規模の飲食店であっても、十分に訪日旅行客を引き寄せることが可能です。

・「観光資源の魅力を極め、地方創生の礎に」
2020年までに、商店街等において、50箇所で 街並み整備、1500箇所で外国人受入環境整備
・東北6県の外国人宿泊者数を2020150万人泊 2015年の3倍)に
・訪日外国人旅行者数 2020年: 4,000万人(目標値)
引用:観光庁「明日の日本を支える観光ビジョン」より一部抜粋 P1~2
http://www.mlit.go.jp/common/001126601.pdf

それでは、外国人旅行客を増やすために、飲食店はどんな準備や対策が必要でしょうか。外国人旅行客向けメニューの作成」「フリーWi-Fiの提供」「キャッシュレス決済」「口コミサイト対応」が挙げられます。

外国人旅行客向けメニューの作成

まず用意したいのが、写真付きのメニュー。外国人にとって初めての和食。文字だけのメニューでは容易に想像できないので、写真が付いているとイメージがわきやすく注文しやすいでしょう。さらに、メニューを各言語に翻訳することも重要です。

メニューの多言語表記の注意点

様々な言語でメニューを用意する飲食店も増えてきました。まずは「英語・中国語・韓国語」のメニューを準備してみましょう。メニュー翻訳にはいくつかの注意点があります。その一つが「機械翻訳」。近年機械翻訳の精度が向上したとはいえ、メニュー翻訳には向いていません。料理名はその国の文化や習慣の影響を受けやすく、慣用表現や特殊な言い回しが多いためで、さらには前後の文脈も無いために、誤訳となるケースが多々あります。

例えば、「ホッケの開き」を某有名機械翻訳にかけてみると

英語に翻訳すると、「ホッケーの始まり」。これでは意味が全く分かりません。
試しに、中国語に翻訳すると

「ホッケーを開く」という意味になってしまい、理解不能です。
さらに、韓国語だと

ホッケはあっているようですが、「ホッケの違い」と翻訳されてしまいます。なお、正解例は、それぞれ「a dried Atka mackerel」「烧烤花鲫鱼」「임연수어의 트임」となります。

さらに、お好み焼きの定番メニュー「豚玉」を機械翻訳にかけてみました。それぞれ、「Pig Bal(ブタボール)」、「猪球(ブタボール)」、「돼지 구슬(ブタビー玉)」と、やはりお好み焼きとは大きくかけ離れた訳になってしまいました。

このように、メニューを作成する際に機械翻訳に頼るのは要注意です。メニュー翻訳に関しては専門の翻訳会社に依頼するのが確実でしょう。

フリーWi-Fiの提供

外国人旅行客にとって旅行先での主な情報源はインターネットです。海外ではフリーWi-Fiを使えるエリアが多く、日本を訪れた外国人はフリーWi-Fiが少ないことに不便さを感じているようです。観光庁がまとめた『訪日外国人の消費動向』からも、その点が伺えます。

出典:観光庁による『訪日外国人の消費動向』P24
http://www.mlit.go.jp/common/001230775.pdf

「日本滞在中にあると便利だと思う情報」では、45.2%の訪日外国人がフリーWi-Fiを挙げています。日本のフリーWi-Fiがいかに充実していないかがよく分かります。外国人旅行客のニーズに応えるために、フリーWi-Fiを設置することは今後必須といえるでしょう。お店を利用したお客様が SNS やブログでお店のことを紹介してくれることは集客に直結します。そのためにも、Wi-Fi環境は欠かせないのです。フリーWi-Fiは各店舗で設置するだけではなく、設置を推進している地域の自治体や団体などもあるようです。

キャッシュレス決済

経済産業省の報告(平成30年度)によると、世界各国のキャッシュレス化の比率で、キャッシュレス化が進展している国は4060%台であるのに対し、日本は約20%にとどまっているとのことです。

出典:経済産業省『キャッシュレスの現状と今後の取組』P1
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/senmon/dai14/siryou2-1.pdf

日本でキャッシュレス化が浸透していない理由は、偽札が少ないことや使い過ぎへの不安、加盟店の手数料の負担高といわれています。ですが、外国ではキャッシュレス決済が普通に行われているので、訪日外国人は日本の現金主義に不便さを感じるでしょう。

キャッシュレス決済ができる環境を整えておくことは、外国人旅行客の集客につながります。両替の手間を省くこともできますし、手元に現金がない場合でも商品を購入できます。また、手元にある現金の額を気にする必要がないため、客単価アップの効果もあるといわれています。さらには、キャッシュレスにすることでスムーズな会計を行うことができ、現金管理の手間も省けるので、店舗側にとっても一石二鳥といえそうです。今後のインバウンド対策にはキャッシュレス決済は不可欠となっていくでしょう。

口コミサイト対応

日本旅行をどのように楽しむか。外国人旅行者は、どこから情報を得ているのでしょうか? 観光庁の平成29年「訪日外国人の消費動向」によると、旅行情報源で役に立ったも のは、「個人のブログ」(31.2%)、「SNS」 (21.4%)、「口コミサイト」(13.1%)となっています


出典:観光庁による『訪日外国人の消費動向』P23
http://www.mlit.go.jp/common/001230775.pdf

外国人旅行客が参考にしているのは、実際に日本に訪れたことのある旅行客の生きた感想と評価です。「どこに行って楽しかったか」「何を食べて美味しかったか」「どんな物を買って良かったか」、そういったリアルで本物の情報を「個人ブログ」や「口コミサイト」を見て、ガイドブックには載っていない生の情報を参考にしているのです。

個人旅行が増加しつつある中で、この傾向は一層明らかになっていくと思われます。口コミサイトやSNSは訪日外国人の飲食店集客の鍵と言えそうです。

まとめ

インバウンド対策と聞くと難しく感じてしまいますが、基本はこれまでと同様に「お客様のニーズに応える」ことに変わりありません。今回は「外国人旅行客向けメニューの作成」「フリーWi-Fiの提供」「キャッシュレス決済」「口コミサイト対応」を簡単に紹介しました。今後、それぞれの項目についてより具体的な方法をご紹介していきたいと思います。

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