【ベトナム語翻訳の落とし穴】翻訳者が語る!注意するべき7つのこと

ベトナム, ベトナム語

ベトナム語はベトナムの公用語で、ベトナム・カンボジア・ラオス・中国・台湾などでも話されている言語です。中国と台湾では「越南语」と言われています。東南アジアの言語は通常インドの影響を受けていますが、ベトナム語は中国の漢字文化の影響を受けています。ここではベトナム語の特徴と、ビジネスに役立つ情報をお伝えします。

ベトナム語の特徴

1.ベトナム語には6つの「声調」がある

ベトナム語は「アルファベット」表記で、読み書きに関してはそれほど難易度は高くありませんが、6つの「声調」(音の高低)があり、正確な発音をするのが難しい言語です。ベトナム語は「アルファベット+声調記号」の形で表記されますので、文字を見ただけでどの「声調」なのかすぐに分かります。この点、中国語の漢字には声調記号(ピンイン)が表記されませんので、漢字を見ただけでは分かりません。ベトナム語は中国語の影響を大きく受けています。

ベトナム語の6つの声調
アルファベットの「a」に、6つの声調が付くと下記のように表記されます。

第1声 「á」 語尾が上がる
第2声 「à」 語尾が下がる
第3声 「ã」 波線のように上がって下がる
第4声 「ả」 クエスチョンマークのようにふんわり下がる
第5声 「ạ」 語尾をつまらせる
第6声 「a」 声調無し

ベトナム語はこの「声調」(音の高低)を間違えて言うと、相手には意味が通じません。例えば、カフェで「cà phê sữa đá」(アイスカフェラテ)を注文する時に声調を間違えると、店員は何を注文しているのか分かりません。特に「ミルク」を表す単語の「sữa」は、音を波線のように上がり下がりさせる声調なのですが、これを習得するのはかなり難しいです。

2.ベトナム語は「人称代名詞」が複雑である

ベトナム語は、相手の性別・年齢・職業・立場などに応じて「人称代名詞」が変わります。相手が自分より年上かまたは年下か、男性か女性か、立場が上か下かなどの違いに応じて、相手を表す語と自分を表す語を変化させる必要があります。相手の年齢に関しては、多少顔見知りならばあらかじめ確認しておくのでしょう。

日本語は、常に自分は「私」で、相手は「あなた」です。状況に応じて「私」が「あなた」に入れ替わったりはしません。ですが、ベトナム語は同じ言葉が、ある場合は「自分」を指したり、別の場合には「相手」を指したりしますので、非常に複雑です。

3.中国語由来の単語が多い

ベトナム語は、日本語と同様に中国の漢字文化の影響を多大に受けています。「人名」や「地名」なども漢字に由来しています。ある単語は、日本語と似た発音と意味を持っています。例えば、「注意(ちゅうい)」ですが、ベトナム語では「chú ý」と表記し、「チューイー」と発音します。ただ、ベトナム語には「声調」がありますので、日本語と同じイントネーションで「ちゅうい」と言っても、ベトナム人には通じません。

日本語との違い

1.ベトナム語の文法は「S+V+O」である

日本語は「S+O+V」(主語+目的語+動詞)です。
(例:わたしは ベトナムが 好きです)

ベトナム語は「S+V+O」(主語+動詞+目的語)です。
(例:わたしは 好きです ベトナムが)

しかし、ベトナム語の語順はそれほど厳格ではありません。多少文法を間違えても、声調さえ間違っていなければ意味は大体通じます。

2.ベトナム語は「外来語」を独自の単語で表す

日本語は外来語を「カタカナ表記」で表しますが、ベトナム語は外来語をベトナム語独自の単語で表します。例えば、「smartphone(スマートフォン)」は、ベトナム語では「điện thoại thông minh(賢い電話)」と言います。

3. ベトナム語は「時制」に厳密ではない

ベトナム語は、過去・現在・未来を表す「時制」に関してあまり厳しくありません。もちろん厳密に時制を表記しなければならない文章では、時制を表す単語を使用します。ですが、基本的には「文脈」を見て、過去なのか、現在なのか、未来のことなのかが理解できる場合には、時制を表す単語を使用しません。

4. 社外の人に社内の人を紹介する際も敬称を使う

例えば、ベトナム語では、「私はグエンさんです」「こちらは社長の鈴木さんです」という言い方をします。日本の会社では、「私はグエンです」「こちらは社長の鈴木です」と言います。自分と身内を紹介する際に「~さん」とは言いません。ベトナムでは、丁寧・謙譲・尊敬のどの意味を指している場合も、自分や身内に敬称をつけます。特に自分より立場の高い人や年上の人に対しては、むしろ敬称をつけて呼ぶのが一般的です。

日本語からベトナム語は自動翻訳できるのか?

単語レベルの自動翻訳であれば問題はなく、辞書のように使用することが出来ます。しかし、文章全体(長文)の自動翻訳のレベルは低いです。ベトナム語では主語が重要ですが、自動翻訳ではそれを認識できない場合があります。また非常に複雑な「人称代名詞」を、文脈から正しく判断して選択するというレベルには達していません。

例えば、相手会社の社長(男性)に「○○さん」と呼びかける際、ベトナム語では「ông ○○」と呼びます。しかし、日本語の「さん」という単語をベトナム語に自動翻訳すると「 bạn」(友達に使う「あなた」)という語になってしまい、これは社長さんに対して敬意の欠けた失礼な呼び方になってしまします。

ベトナム語においては「人称代名詞」を正確に使うことが重要です。今のところベトナム語の自動翻訳のレベルは高くないので、相手に失礼でマイナスイメージを与える誤訳が生じてしまいます。ビジネスにも悪影響を与えかねませんので注意が必要です。ですので、ベトナム語の自動翻訳を使用するかは慎重に決める必要があります。

ベトナム語翻訳をする、依頼する際に気をつけておくべきこと

1.「人物」の年齢・性別・立場などの詳細を正確に伝える

上記でも述べたとおり、ベトナム語は「人称代名詞」の使い方を間違えると、失礼な表現になってしまいます。ですから、ベトナム語翻訳を依頼する際には、原稿内の人物立場・性別・年齢などの詳細を正確に伝えなければなりません。

2.「地名」と「人名」が正確に翻訳されているかどうかを確認する

現在のベトナムでは、漢字表記は少なくなっています。漢字表記されているのは、神社仏閣等の看板などです。地名と人名に関しては、ベトナム翻訳する際に誤訳が発生しやすいのでよく確認する必要があります。例えば、「愛媛県松山市」を「愛知県松山市」と誤訳されてしまったケースがあります。愛媛県と愛知県、どちらも愛という漢字が使われていることから勘違いしたものと思われます。

日本語からベトナム語の翻訳料金の相場

○N3~N2レベルの翻訳者(日本語専門ではない)
 ベトナム語から日本語 約470円(税別)/1ページ(300文字以内)
 日本語からベトナム語 約420円(税別)/1ページ(300文字以内)

○N2~N1レベルの翻訳者
 専門用語が含まれない場合
  3.8円/ベトナム語1単語、日本語1文字
  1150円~/1ページ(ベトナム語300語以下、日本語400字以下) 
 専門用語が含まれる場合
  4.9円/ベトナム語1単語、日本語1文字
  1450円/1ページ(ベトナム語300語以下、日本語400字以下)

日本とベトナムの商習慣の違い

1. ベトナムでは最初から「全額」を提示する

日本では(業種によりますが)、小売価格を提示してから徐々に値引きするという方法も取られます。ベトナムでは、一般的に最初から「全額」を提示し「値引き」をしません。(すべての場合ではありません)言語翻訳などの業務においては、一般的には「値引き」をすることはありません。

2. ベトナムの営業職・販売職は「歩合制」である

ベトナムでは小売店・大手企業を問わず、営業職・販売職の賃金は「基本給+歩合」です。基本給は少額なので、自分の成績(売り上げ)を上げなければ収入も増えません。ですから(友人は別として)、自分にとって得にならないお客さんにはサービスをしません。特に忙しい状況ではなくても、商品を購入する意思のない客にはサービスを行いません。

3. ベトナムでは「コミッション」(紹介手数料)が必要

ベトナムでは、顧客を相手に紹介した場合、「コミッション」(紹介手数料)を要求します。自分が顧客を紹介してもらったときにも、相手に紹介手数料を支払います、紹介料の金額はその時によって異なります。もし、誰かに顧客を紹介してもらった場合、必ずしもその顧客が良いからという理由ではなく、紹介手数料の額で決めている可能性が十分にありますので注意が必要です。

4. ベトナムの貨幣「1000ドン以下」は切り上げる

現在ベトナムで流通している最小の貨幣は1000ドン(約5円)です。(500ドンや200ドンはあまり使用されていません)スーパーなどで買い物をすると、1000ドン以下は切り上げられます。例えば、支払い額が20658ドンの場合、21000ドン支払う必要があります。そうなると、スーパーは1人のお客さんに何円か多く支払ってもらっていることになりますので、スーパーの利用者が多ければその分利益が上がります。日系のスーパーでは、その対策のために返金してくれるところもあります。とはいえ、銀行を含め大多数の店舗では1000ドン以下を切り上げています。

ベトナム人の仕事する上での価値観

1. ベトナム人は仕事上の「力関係」に敏感に対応する

ベトナム人は自分と相手との「力関係」に敏感です。こちらが発注元である場合は力関係において強く、先方は大変低い姿勢で接してきます。しかし、こちらが仕事を請け負っている場合は逆の対応をしてきます。売り手は、時には高圧的な態度を取ります。日本の「お客さまは神様」という感覚は持ち合わせていません。これは、長く続いた戦争で物資が不足していたことの影響であると思われます。売り手の「力」が強かったのです。ベトナムでは、仕事を依頼または依頼される際に、納期の遵守やサービスの質に対しても「力関係」が反映されますので注意が必要です。

2. ベトナム人は家族・友人を大切にするが他人にはドライである

ベトナム人は家族・友人との絆を大切にします。もし家族や友人が困っていれば、全力でサポートしてくれます。しかし、家族・友人以外に対してはほとんど配慮を示さないという傾向があります。会社での人間関係は(家族・友人であるとは考えていませんので)ドライです。会社への義理という感覚もほとんどありません。もし、今の会社よりも良い条件の会社が見つかると、すぐに転職します。

3. ベトナム人には日本人的ルールは通じないことが多い

ベトナム人は日本人が思う「正論」を口では同意しても、結局はベトナム的に「臨機応変」に対応します。例えば、政府当局との手続きでうまく進んでいない時、手順通りに行う努力をするよりも、知り合いの政府当局者を通じて物事を解決してもらいます。手順通りにやらなくても、問題はあっさりと解決されてしまうのです。

ベトナム人は、ある作業が自分にとって無駄だと考えると、自分なりの解決法を考えて行います。それが最善となれば良いのですが、単なる手抜きに終わってしまうこともあります。結果、余計な時間や労力を使うことになったり、サービスの質の低下を招いたりします。ですから、仕事を依頼する際にはこの点によく注意する必要があります。

日本人は「ルール厳守」で「杓子定規」的なところがありますので、国民性の違いで摩擦が生じることがあります。とはいえ、よくコニュニケーションを取るならば、物事の手順についても双方の考え方を理解し、うまく対処してくことが出来るでしょう。

まとめ

ベトナム語は中国語に似た「声調」を持つ言語です。漢字文化の影響も強く受けています。物事の取り組み方や考え方も、中国と似た要素を持っています。現状では、ベトナム語への自動翻訳は難しいので、ビジネスにおいてベトナム語翻訳が必要とされる場合は専門の翻訳会社に依頼することをお勧めします。翻訳会社アットグローバルは全力で皆様のビジネスをサポートいたします。ぜひご利用ください。

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