「英語わかりません」は通用しないかも? 観光庁の新サービス基準

2019年4月13日

観光庁はこのほど、国際観光振興法の一部改正による「外国人観光旅客利便増進措置に関する基準」の施行にあわせて、外国人観光客がスムーズに旅行するためのサービス基準のガイドラインを発表しました。無料Wi-Fiサービスや、外国語による案内の整備を促す内容となっています。バスターミナル、空港、旅客船ターミナルで、多言語による案内がますます必要になります。自治体や関連の事業者の方には、要チェックの内容です。

外国人観光旅客利便増進措置に関する基準とは?

今回の基準やガイドラインは、多くの外国人観光客が利用したり、利用の増加が見込まれたりする旅客施設や、乗換が必要となる起終点とその中間の旅客施設に適用されます。外国人観光客のニーズを考慮して公共交通事業者などが決めます。

観光庁のホームページから、今回のガイドラインの見取り図を見てみましょう。http://www.mlit.go.jp/common/001257642.pdf

これまで、外国人にアンケートをしたり、識者にアドバイスを求めたりした結果をふまえ、拡充すべきサービス内容について具体的に指示しています。

外国語による情報の提供

施設の場所案内を中心に、外国人観光客にとって必要な情報を外国語で提供することが推奨されています。例えば、出発時刻、種別、行先、運行状況など、運行に関する情報などです。外国語で案内できる職員の配置が望ましいとされていますが、難しい場合は、多言語対応コールセンターや多言語音声翻訳システムを活用するように、となっています。

観光庁は特に、事故や災害が発生したときの情報提供を重視しています。最近では、台風 21 号や北海道胆振東部地震のとき専門家から「公共交通機関において外国人観光客に対する情報提供が十分ではなかった」との指摘を受けており、多言語での柔軟な対応がますます求められることとなりました。

無料Wi-Fiサービスの整備

旅客施設や車両の中における、無料Wi-Fiサービスの拡充を求めています。初期登録や利用規約への同意が必要である場合は、外国語での案内をするよう求めています。共通のシンボルマーク(Japan.Free Wi-Fi)を掲示し、SIMカードやモバイルWi-Fiルーターの販売・貸出拠点の設置を推奨しています。

洋式トイレの設置

原則として洋式を設置し、多くの外国人観光客が利用するところでは、外国語による使用方法の案内表示をし、 多様な宗教・生活習慣に対応しやすい温水洗浄便座の機能が付いたものを整備するよう求めています。

クレジットカード支払ができる券売機

海外では、地下鉄でも、クレジットカードが使える券売機があるのが普通です。
今回、長距離、優等の乗車船券の購入が多い旅客施設では、クレジットカードで支払いができる券売機を設置することを推奨しています。外国語の掲示で、クレジットカードが使えることを案内することも求めています。

交通系 IC カード利用環境の整備

クレジットカードとあわせ、交通系 IC カードを利用できる環境の整備も求めています。IC カードが利用できること、その利用方法を外国語の掲示で案内するよう求め、施設内にICカードに入金ができる券売機を設けることも推奨されています。

荷物置き場の設置

長距離、または空港に直接アクセスする鉄道車両には、大きな荷物が収納できる荷物置き場を設置するよう求めています。 一編成当たり複数の箇所に設置することが望ましい、ともしています。 チェーンロックなどの盗難防止機能があることが望ましいとしています。

インターネットによる予約環境の整備

外国人観光客がウェブサイトで座席指定券や企画乗車船券を予約できるようにすることを求めています。予約のために必要な情報は外国語で案内すること、とされています。インターネット上でクレジットカード決済が可能であることが望ましく、ネット上で決済完了後、窓口で手続きを行うことなく乗車できることが望ましいとしています。

予約するために必要な情報の例として、「乗車船区間、販売金額、決済方法、乗車・乗船方法、利用する列車・便および座席の指定、車内設備、購入後の内容変更・キャンセル規程」が挙げられています。

上記の7つの主要なポイント以外に、推奨されていることを説明していきます。

多言語対応券売機、企画切符

旅客施設において、言語切替機能がある多言語対応券売機を設置することが望ましい、としました。 外国人観光客のニーズに合った企画乗車船券をつくり、乗車のたびに切符を買うことなく移動できる環境を整備することも求めました。外国人観光客のニーズを考慮した企画乗車船券の種類としては、特定のエリアが乗り放題となるタイプ、空港と主要駅など特定の2地点を往復するタイプ、提示によって周辺施設の割引特典の機能があるタイプ、およびその組み合わせ、を挙げています。

手ぶら観光サービス

旅客施設やその周辺で、物流事業者や施設管理者と連携して、「手ぶら観光」サービスを行うことも推奨しています。「手ぶら観光」とは、日本の優れた宅配サービスを活用し、空港・ 駅・商業施設などに設置した受付カウンターで荷物の一時預かりや、空港・駅・ホテル・海外の自宅へ荷物を配送することで、手ぶらで快適な環境を提供するサービスのことです。「手ぶら観光」サービスを実施しているカウンターを分かりやすく明示するため、「手ぶら観光」共通ロゴマークがウェブサイトや旅客施設などにおいて掲示されることが望ましい、としています。大型のコインロッカーの設置、キャッシュレス決済にも対応するよう求めています。

自転車持ち込み

欧米の観光客に多い自転車の利用ですが、自転車の利用が多い車両や船舶に自転車を解体せずに持ち込むことができる環境を整備した際に、持ち込み可能であることを外国語の掲示で案内 することが望ましい、としています。自転車を解体せずに持ち込むことができるスペースを整 備すること、自転車を固定することが可能なラックを整備することを求めています。

ムスリムおもてなし

ムスリムの観光客のため、旅客施設に礼拝室を設置し、その場所を案内図や案内サインを用いて示すことが望ましい、としました。 常設の礼拝室の整備が困難な場合には、空きスペースの一時的な提供や近隣の施設を案内できる体制を整備し、その案内図を作成することが望ましい、としています。車両の内部において食事を提供する場合は、ムスリムの禁忌に配慮することを推奨しています。「ムスリムおもてなしガイドブック」(平成30年3月観光庁)http://www.mlit.go.jp/kankocho/page08_000088.html などを参照するよう勧めています。

おわりに

こうしたサービスは、コストが低いものについては、できるだけ早く整備するよう求めています。外国語による観光、運行案内は、もう、待ったなし、です。

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