中国発のモバイル決済アプリ「支付宝 (Alipay)」と「微信支付(WeChat Pay)」とは?

2018年11月28日Alipay, WeChat, 中国

最近は、外国人が多く訪れるお店や観光地でのキャッシュレス化がずいぶんと進んでいるようです。コンビニやドラッグストアでも、水色の「支付宝」と緑色の「微信支付」のマークやプレートを見かけることが多くなりました。ニュースで耳にしたことがあるかもしれません。筆者も中国駐在時代には、日々の買い物から飛行機のチケット手配まで、生活のあらゆるシーンの支払いに「支付宝(Alipay)」と「微信支付(WeChat Pay payment)」を使っていました。今回は、中国のモバイル決済アプリを日本でも使ってみることにしました。果たして結果や如何に?

その前に、中国国内での「モバイル決済」がどれほど普及しているかをおさらいしてみましょう。

中国最大手のインターネット業界の調査会社「易観国際(Analysys International)」の報告によると、2018年第1四半期には、モバイル決済による取引額が40兆3645億元(約660兆円)にまで達したとのことです。

出典:「2017第1四半期-2018第1四半期中国第三者決済モバイル決済市場取引額」
交易规模(亿元 人民币):取引額(億元 人民元)
环比增长率:前期比成長率

そして、そのうち約半数の53.76%をアリババ(阿里巴巴)系の「支付宝(Alipay)」が占めており、4割近くがテンセント(腾讯)系の「微信支付(WeChat Pay)」となっています。

出典:「2018第1四半期中国第三者モバイル決済市場シェア」

このことからも、中国国内で「支付宝(Alipay)」と「微信支付(WeChat Pay)」が相当数の人々から支持されていることが分かります。ちなみに、日本のクレジットカード年間利用額は58兆円ですから、その規模の大きさに驚かされます。

「支付宝(Alipay)」とはどういうアプリなのでしょうか?

「支付宝(Alipay:アリペイ)」とは「アリババグループ」が提供する、中国最大規模の「QRコード」を使った決済サービスです。「支付宝(Alipay)」にお金をチャージしておけば、電気、ガス、インターネット代金、携帯代へのチャージ、タクシー代金、航空チケット、海外送金、友人知人への個人間送金などを行うことができます。アリババによると、「支付宝(Alipay)」のユーザーは2018年時点で8.7億人いるとのことです。

日本でも中国人旅行客に備えて、中国人が頻繁に訪れる空港や都市部の百貨店、家電量販店、コンビニ、アパレルなどの小売店、ローソンやJTBの提携するホテル、飲食店など、約5万店舗で利用できるようになりました(2018年8月時点)。

利用可能店舗例

東急百貨店、近鉄百貨店、大丸松坂屋、そごう・西武、高島屋、東武百貨店、ローソン、セブンイレブン、ファミリーマート、ヤマダ電機、ビッグカメラ、エディオン、ドンキホーテ、無印良品、ユニクロなど

「微信支付( WeChat Pay payment)」とはどのようなアプリなのでしょうか?

「微信:ウェイシン・WeChat:ウィーチャット」とは、中国版LINE」とも言われていて、日本の「LINE」と同じように、文字・音声・写真・動画の送付やグループチャットなどができるメッセンジャーアプリです。この中に、「QRコード」を使った料金の支払いや個人間送金などを行う機能が含まれており、これが「微信支付(We Chat Pay payment)」です。中国国内では100万店舗が加入しており、利用者数は現在9憶人を超えたと言われています。ユーザーの80%以上が40歳以下の若年層で、ビジネス・家族・友人とのチャットツールとしてもモバイル決済ツールとしても、日常生活に欠かせない、もはやインフラのようなツールとなっています。

日本でも訪日中国人客の増加に伴い、空港や百貨店家電量販店を中心に導入が進んで
おり、すでに7,000社の企業が導入しているそうです。

利用可能店舗例

小田急百貨店、近鉄百貨店、東武百貨店、ビックカメラ、ヤマダ電、エディオン、上新電機、ラオックス、ドラックストア、イオン、他

実際に使ってみた

まず、お店のレジにこのマークがあることを確認します。水色のマークが「支付宝(Alipay)」、緑色のマークが「微信支付( We Chat Pay payment)」です。

インバウンド用の情報として、中国人旅行者がどのように使っているかの参考になると思いますので、実際の画面も参考として掲載します。

まずは「支付宝(Alipay)」を使ってみます。

「支付宝(Alipay)」のアプリを開くと、このような画面になります。

上部(赤枠内)にある「付钱(支払い)」を開くと、以下のような「QRコード」が表示されます。

この「QRコード」をお店の人に見せて、専用の機械でスキャンしてもらいます。

普通ならば、これで支払い完了です。たったこれだけです。サインをしたり、別の端末を用意したりすることなく終了です。「QRコード」をスキャンすると、即座に自分の銀行口座から料金が引き落とされる仕組みになっています。またアプリ内のお財布機能にチャージして、そこから引き落とすことも可能です。どちらにしても、非常にスムーズで簡単な支払い方法です。

ところが、残念!今回私のアカウントでは、日本で「支付宝(Alipay)」を利用することができませんでした。何度トライしてもエラーが出てしまいます。理由は後述しますが、どうやら中国の金融政策と関連がありそうです。

ちなみに、近所のお店の方(武蔵小山駅付近のローソン店員)にお聞きしたところ、今のところ訪日中国人で「支付宝(Alipay)」で支払っている人はそう多くなく、意外にも、ほとんどの人が「クレジットカード」を利用しているとのことでした。ですが、中国人旅行客がコンビニなどで支払いをするときは「支付宝(Alipay)」ような「モバイル決済」は可能だという触れ込みでしたので、大変残念です。

さて、気を取り直して、別のお店に行ってみます。

「微信支付( We Chat Pay payment)」を試してみました。

「支付宝(Alipay)」と同じように、アプリの中の「QRコード」を開きます。

この「QRコード」をお店の人に見せ、専用の機械でスキャンしてもらいます。

普通ならば、これで支払い完了となります。「支付宝(Alipay)」と同じように、「QRコード」をスキャンした時に、自分の銀行口座やアプリ内のお財布から即座にお金が引き落とされ、支払いが完了します。

ですが、今回もまた残念!日本人の筆者が使ったところ、使えませんでした。どうやら中国の政策上の問題で、中国での身分証による実名登録がされていないアカウントでは、海外店舗での支払いができないようです。調べてみたところ、中国の身分証を持っていないユーザーが、人民元から外国貨幣に両替することは認められていないからとのことです。そういうわけで、日本人を含む外国人が中国以外の国で使用するのは不可能のようです。

お店(イオン)の店員に聞いたところ、すでに多くの訪日中国人が「微信支付(We Chat Pay payment)」を利用しており、お店側もこの決済方法に慣れているようでした(ちなみにこのイオンでは、訪日中国旅行者が大量に粉ミルクや化粧品を購入していました)。

便利なモバイル決済

このように、スマホひとつで支払いができる「モバイル決済」。この決済方法に慣れてしまうと、お財布から小銭を取り出す作業が面倒に思えてきます。お店での支払い時以外にも、食事後に割り勘料金を友人に支払うときもスマホ一つで送金できます。お財布から小銭を取り出したり、お釣りの小銭を探したりする必要はないのです。さらに、銀行口座に現金化する際の手数料も非常に低く抑えられています。ここ数年であっという間に普及したのもうなずけます。

今回、筆者自身は利用できませんでしたが、「支付宝(Alipay)」と「微信支付( We Chat Pay payment)」という「モバイル決済」は、中国人にとって海外旅行の際にも非常に便利なツールであることが分かりました。

年々増加している、各国から訪れる外国人旅行客。快適に旅行してもらうためにも、「キャッシュレス決済」対策は今後ますます重要になってくると思われます。

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